税理士FPの日々鍛錬 ~go my way~

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高専を卒業したらどのような進路に進むのか?進学や就職の状況を調べてみた

娘の高校受験を控えて、親心から勝手に高等専門学校高専)について調べ始めましたが、今回は高専を卒業した後の進路について調べてみました。

これからの進路を考える子供を持つ親にとって、学費の負担はとても重要ですが、それと同じくらい学校を卒業した後に卒業生がどのような進路に進むのかも興味深いと思います。

高専を5年で卒業すると、年齢的には20歳となり、短大を卒業したのと同じ年代となります。ここから卒業生が進学、あるいは就職にあたってどのような進路を進むのか、各学校のホームページなどから分かる範囲での情報を集めてみました。

進学のパターンは大きく2つに分かれる

高専を卒業した後、さらに上級の学校に進学する人も大勢います。学校によってその割合には多少のバラツキがありますが、半分以上の卒業生が就職ではなく進学するという高専もあります。

就職ではなく進学を選択した場合、進学先は大きく2つのパターンに分かれます。1つは高専内の上級課程にあたる専攻科に進む場合、そしてもう1つは大学の3年生に編入学する場合です。

①専攻科に進む

高専の専攻科は、2年間の課程でより高度な研究を行う機関です。すべての高専に専攻科が設置されているため、進学を考えた場合にはまず専攻科を考えるという学生も多くいます。

しかし、この専攻科はかなり狭き門となっています。高専の5年生を終えて卒業した時の学生数に対して、専攻科の定員は圧倒的に少ないからです。

例えば、とある2つの高専2校の定員は以下のようになっています。

学科定員 4つの学科でそれぞれ40名、合計160名

専攻科定員 2つの学科から専攻科の定員8名、合計16名(学科定員に対して10%)

学科定員 5つの学科でそれぞれ40名、合計200名

専攻科定員 2つの専攻科に分かれてあわせて40名(学科定員に対して20%)

希望すれば誰でも専攻科に進めるわけではないどころか、大学の編入学試験より激しい競争となることも覚悟しておかなければなりません。結果的に、高専を優秀な成績で卒業した人から専攻科に進学すると考えていいでしょう。

専攻科からに大学院に進学する人も

専攻科を卒業すると、大学卒業と同じ「学士」の称号を得ることができます。ただし、理系分野の学部生の多くは、「修士」の称号を得るために大学院に進学していきます。

専攻科の課程を修了すると、ちょうど大学4年間を終えたのと同じ時期となります。専攻科を修了して就職する人もいますが、中には大学院に進学する人もいます。

専攻科の卒業生が大学院に進学した人数も、それぞれの高専で公表されています。

  • A高専専攻科(令和3年度)

修了者数 17名

うち大学院進学 9名

主な進学先 京都大学大学院、九州大学大学院、神戸大学大学院など

  • B高専専攻科(令和3年度)

修了者数 42名

うち大学院進学 30名

主な進学先 東北大学大学院、筑波大学大学院、東京大学大学院、東京工業大学大学院など

進学先は、国立大学の大学院が中心となっていることがわかります。ただ、この傾向は学校によって違いがあることも考えられますので、各高専のホームページから確認しておきましょう。

②大学に編入学する

高専の5年の課程を終えた後、大学の編入学試験を経て、大学3年生に編入するケースも一般的となっています。就職より大学編入の方が多いという学校も数多くあります。

編入を目指す大半の学生は理系であることから、編入先は国公立大学が多くなっています。

卒業生数 168名

うち大学進学者数 113名

主な進学先 豊橋技術科学大学大阪大学神戸大学東京大学三重大学など

  • 高専(令和3年度)

卒業生数 179名

うち大学進学者数 109名

主な進学先 長岡技術科学大学群馬大学山梨大学信州大学千葉大学など

豊橋と長岡の2つの技術科学大学は、ともに高専の学生を受け入れることを主眼に置いて作られた大学です。そのため、どこの高専でも進学者が多くなる傾向にあります。

一方で、そのほかの大学への編入を果たす学生も相当数いることがわかります。もっとも、編入試験を突破するのも簡単ではないでしょうが。

就職先には困らない

高専に進学してくるような学生は、高校から大学に進学すれば地元の国公立大学などに進むようなレベルの学生が多いかもしれません。そのため、短大卒の年齢に相当する20歳で就職するというのは、若干抵抗を感じるという方もいるでしょう。

しかし、高専を卒業後に就職する学生を、企業は求めているのです。そして、その就職先には名だたる企業が名を連ねているのです。

ここでは個別の企業名をあげることは控えさせていただきますが、上場企業、しかも相当の規模と知名度を誇る企業が、数多く含まれています。

高専の卒業生は、若いうちから専門知識を身につけており、企業とすれば即戦力という位置づけになると思われます。また、大学卒業後に入社してくる学生より2歳若く、より長い期間会社で働いてくれるという期待もあるのではないでしょうか。

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