高専とはどのような学校なのか?その実情を調べてみよう
娘が中学3年生になり、高校受験をボチボチ考え始めたところですが、ここにきて急に私の頭の中でそんな時間を発揮してきたのが「高等専門学校」、いわゆる高専です。
私の子供のころから高専はありましたが、実際に身近な人が高専に進んだという話を聞いたことはありません。そのため、高専自体が遠い存在であり、娘が高専に行く可能性があるかといわれれば、今の時点でゼロと言い切れるかもしれません。
しかし、高専の学費について調べた前回の記事の後、高専の存在はますます大きくなりつつあります。
前回の記事では、学費の面で高専が有利という情報を中心にお伝えしました。しかし、高専の魅力はそれだけではないようです。そこで、高専の実情を知るために、様々な情報を集めて、分析してみました。
国内にあるすべての高専一覧
全国には、現在全部で57の高専が存在しています。なお、このうち51校は国立高専であり、このほかに公立が3校、私立が3校あります。
国立高等専門学校の一覧
- 函館工業高等専門学校
- 苫小牧工業高等専門学校
- 釧路鉱業高等専門学校
- 旭川工業高等専門学校
- 八戸工業高等専門学校
- 一関工業高等専門学校
- 仙台高等専門学校
- 秋田工業高等専門学校
- 鶴岡工業高等専門学校
- 福島工業高等専門学校
- 茨城工業高等専門学校
- 小山工業高等専門学校
- 群馬工業高等専門学校
- 木更津工業高等専門学校
- 東京工業高等専門学校
- 長岡工業高等専門学校
- 長野工業高等専門学校
- 富山高等専門学校
- 石川工業高等専門学校
- 福井工業高等専門学校
- 岐阜工業高等専門学校
- 沼津工業高等専門学校
- 豊田工業高等専門学校
- 鳥羽商船高等専門学校
- 鈴鹿工業高等専門学校
- 舞鶴工業高等専門学校
- 明石工業高等専門学校
- 奈良工業高等専門学校
- 和歌山工業高等専門学校
- 米子工業高等専門学校
- 松江工業高等専門学校
- 津山工業高等専門学校
- 広島商船高等専門学校
- 呉工業高等専門学校
- 徳山工業高等専門学校
- 宇部工業高等専門学校
- 大島商船高等専門学校
- 阿南工業高等専門学校
- 香川高等専門学校
- 新居浜工業高等専門学校
- 弓削商船高等専門学校
- 高知工業高等専門学校
- 久留米工業高等専門学校
- 有明工業高等専門学校
- 北九州工業高等専門学校
- 佐世保工業高等専門学校
- 熊本高等専門学校
- 大分工業高等専門学校
- 都城工業高等専門学校
- 鹿児島工業高等専門学校
- 沖縄工業高等専門学校
公立高等専門学校の一覧
私立高等専門学校の一覧
国立高専は、全国に51校ありますが、北海道に4校、山口県と福岡県に3校ある一方で、1校もない県もいくつかあります(埼玉県、山梨県など)。
また、「工業」や「商船」が名称についている学校が多いのですが、国立高専の中には地名+高等専門学校となっている学校もいくつかあります。これらは、過去にあった「工業」や「電波工業」、「商船」などの高等専門学校が再編により1つにまとめられた結果、このような名称になっているのです。
高等専門学校は大きく分けて「工業」と「商船」の2つのタイプに分かれます。ただし、「商船」があるのは国立のみであり、公立や私立の高専はすべて「工業」となっています。
高専で何を勉強するのか
先ほどもご紹介したように、高等専門学校には「工業」と「商船」の2つのタイプがあります。
工業高等専門学校には、機械、電気、情報、物質・材料、建築・環境などの学科が設けられています。ただし名称は学校によって異なるため、その名前だけでは判断できない場合もあります。
商船高等専門学校には、商船(航海・機関)、電子機械工学、情報工学などの学科が設けられています。商船に関する学科を卒業すると、三級海技士の筆記試験と乗船履歴が免除されます。なお、商船に関する学科は1年の航海実習があるため、卒業まで5年6か月となっています。
なお、基本的には高専はすべて理系なのですが、福島工業高専(ビジネスコミュニケーション学科)、富山高専(国際ビジネス学科)、宇部工業高専(経営情報学科)の3校には文系学科が設置されています。
高専の定員と在学生の数
文部科学省のHP(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kousen/index.htm)では、令和2年度における高専の入学定員と在学生数が公表されています。
これによれば、国立高専51校には184の学科と234の学級が設置されており、入学定員(専攻科を除く)は9,360人、在学生数(同)は48,219人となっています。
同様に公立高専3校には7つの学科、19の学級が設置されており、入学定員(同)は720人、在学生数(同)は3,617人となっています。
また私立高専3校には6つの学科、10の学級が設置されており、入学定員(同)は385人、在学生数(同)は1,913人となっています。
国立高専の入試情報
国立高専の入学試験は、推薦による選抜と学力検査による選抜とに分かれます。
推薦選抜
推薦選抜の出願をするには、学校ごとに定められた資格を満たさなければなりません。中学校3年間での9教科の評定、主要5教科の評定が一定以上でなければならないとされていますが、その条件は学校により様々です。また、評定に関する条件がいくつか設けられている学校もあり、いずれかに該当すれば出願できるとされています。
推薦選抜を受けるためには、中学3年生だけ頑張ればいいというわけではなく、3年間の評定のすべてが対象になっている点に注意しなければなりません。
学力検査による選抜
学力検査の実施日は、全国の国立高専で一律に定められています。令和5年度入学者については、令和5年2月12日(日)に実施されることが決定しています。
試験問題は、大学のように学校ごとに作成しているわけではなく、すべて共通となっています。過去問は国立高等専門学校機構のHP(https://www.kosen-k.go.jp/exam/admissions/kosen_navi.html)で公表されているので、確認しておきましょう。
高専の情報収集はこまめに
高専の存在が気になった方は、文部科学省や国立高等専門学校機構のHPを見てみましょう。
また、各学校のHPにはより詳しい情報が記載されています。近くの気になる学校を調べてみると、その実情を知ることができるのではないでしょうか。