税理士FPの日々鍛錬 ~go my way~

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不動産投資のメリットを考えてみる

資産運用の手段の1つとして、アパートやマンションなどの投資物件を購入している方もいるかと思います。一方、不動産投資に興味があってもなかなか一歩が踏み出せないという方もいることでしょう。
不動産投資を行うとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、資産運用として行う不動産投資のメリットを確認していきます。

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不動産投資の一例であるアパート

不動産投資のメリット⑴メインの収入とは別に収入を確保できる

不動産投資に限らず、資産運用を行ううえでの一番のメリットです。例えばサラリーマンであれば、勤務先からもらう給料がメインの収入となり、不動産投資で得る収入が副収入ということになります。

資産運用といえば、株式や投資信託の購入を検討している人も多いかもしれませんが、株式や投資信託保有していても、毎月の収入を増やすことはほとんどできません。これらを購入する目的は、値上がり益を得ることと配当収入を得ることにあるためです。一方、不動産投資の目的は賃料収入を得ることにあります。そのため、毎月の収入を増やすことができるのです。

本業の収入と不動産投資の収入を管理する口座を分けることで、副業収入により得た金額をより実感することができると同時に、不動産関係の支払はすべて不動産の収入から行い、確定申告の際に作業しやすくなります。

不動産投資のメリット⑵所得税・住民税の節税になる

不動産投資を行うと、建物を購入して保有している状態となります。建物を保有している場合、その購入金額を購入した時に一度に必要経費とするわけではなく、法定耐用年数にわたって減価償却を行い必要経費とします。また、購入当初は借入金の返済時に発生する支払利子の金額も大きくなるほか、固定資産税や管理費などの必要経費も合わせると、多くの場合、不動産所得の金額は赤字になります。

不動産所得の金額が赤字になれば、本業の給与所得や事業所得などと相殺することができるため、所得税や住民税の税額を減らすことができます。特にサラリーマンの方の場合は、年末調整でいったん税額計算を行っているため、不動産所得について確定申告を行うと、所得税の還付を受けることができます。

不動産投資のメリット⑶相続対策に使える

更地にアパートを建てた場合、その土地の相続税評価額は更地としての評価額より低くなります。どれくらい低くなるかは、その土地のある場所によって変わるため一概には言えませんが、2割以上低くなることも珍しくありません。

また、金融機関で借り入れをしたうえでマンションなどの投資用不動産を購入した場合、マンションが相続財産となります。マンションなどの不動産の相続税評価額は、一般的に時価の8割程度の金額となるため、現金のまま相続するより相続税の計算上有利になるのです。

また、借入れをした際には、団信(団体信用生命保険)に加入することが義務付けられることが多いと思います。団信に加入する分、保険料に相当する金額を支払利子として負担しなければなりませんが、亡くなって相続が発生した際に借入金を相続する必要はなくなります。そのため、相続した人は家賃収入を受け取る一方で借入金の返済をする必要はないため、相続人が生活費を得ることのできる財産として非常に有効なものとなります。

不動産投資のメリット⑷土地価格の上昇やインフレに強い

土地の価格はその時の経済情勢によって、上がったり下がったりします。また、土地の価格に限らず、物価全体が上昇していくインフレの状態になることもあります。インフレが起こった場合、現金だけを持っている人は物価上昇に対応することができませんが、現物資産である土地などの不動産を保有している場合は、その現物資産も物価の上昇にあわせて価格が上がるほか、家賃を上昇することもできるため、インフレにもあわてず対応することができます。

土地の価格が上昇したために、土地を売却して売却益を得れば、当初の想定以上の現金収入を得ることができます。ただし、土地の価格の上昇を狙って不動産投資を行うのはおすすめできません。あくまでインフレなどのリスクにも対応できるものとしてとらえておき、基本的には家賃収入で現金収入を得るものと考えるようにしましょう。

不動産投資には多くのメリットがあるが重要なのは収入を得ること

ここまで見てきたように、不動産投資には多くのメリットがあります。しかし、これらの点をメリットとするために必要なものがあります。それは安定した賃貸収入を得ることです。たとえ所得税や住民税の節税になるといっても、毎月の賃貸収入がなければ借入金の返済は本業収入からの持ち出しとなってしまいますし、相続対策になるといっても賃貸収入がなければ生きているうちに破産する結果となりかねません。

どのような物件が安定した賃貸収入を得られるのか、自分で調べるのはかなり大変なことです。はじめは専門の業者に依頼して、どのような物件が人気なのか、どのエリアの物件に人気があるのかをリサーチしてから購入するようにしましょう。